■事務所ご案内
|
|
会社の法人格を消滅させる法律事実を解散といい、解散に続いて法律
関係の後始末をするための手続きを清算といいます。
会社の法人格は、合併の場合を除いて、解散によっては消滅せず、清算
の手続きに移り、その結了によって初めて消滅します。
(1)清算手続きが開始する
会社が解散した場合、合併と破産手続きの場合を除いて清算手続きに入り、
解散会社の一切の法律関係の後始末をつけることになります。
(2)営業行為ができなくなる
清算の目的は、会社の一切の権利義務を処理して残余財産を株主に分配する
ことにありますから、清算事務の遂行に必要な範囲内において営業を継続す
るほかは、もはや営業を続行することができなくなります。
(3)取締役、代表取締役等が退任する。
清算中の会社においては、営業の担当者である取締役、代表取締役はその
地位を失い、清算事務の担当者である清算人がこれに代わります。
株主総会は清算中も続行します。
(4)剰余金の配当、自己株式の取得や株式交換・株式移転などが
できなくなる。清算株式会社は、剰余金の配当、自己株式の取得や
株式交換・株式移転をすることはできません。
ただし、自己株式であっても、無償で取得する場合や当該清算株式会社
が有する他の法人等の株式について剰余金の配当を受ける場合などにつ
いては、これを取得することができます。
・清算は、多数株主の横暴を防ぎ、かつ会社債権者の利益を害さないた
めに、必ず法定の手続きによらなければなりません。
・法定の範囲内であれば、自治的処置が認められます。
・清算の遂行に支障があるか、又は債務超過の疑いがあるとき
は、清算は裁判所の監督のもとに行われます。これを特別清
算といい、通常の場合を通常清算といいます。
1 株主総会の開催
(1) 取締役等による招集決定
(2) 招集通知の発送
(3) 決議事項
解散決議
清算人の選任
(4) 決議の方法
<解散の決議>
特別決議・・議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を
有する株主が出席し、出席した株主の議決権の議決権の3分の2以上の
賛成によって成立。
<清算人の選任>
普通決議・・議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有
する株主が出席し、出席した株主の議決権の過半数の賛成により成立。
1 清算人とは
清算人とは、清算事務を執行する機関です。会社の解散により、解散前
の取締役及び代表取締役は全員退任することになるので、それに代わ
る業務執行機関となります。
2 清算人の職務権限
・現務の結了
・債権の取り立て
・財産の換価処分(土地や有価証券の換金)
・債務の弁済
・残余財産の分配
3 清算人の任期
清算人は、就任したときから清算の結了まで在任することが通常である
ので、会社法では、任期はとくに定められていません。
1 株主への解散通知
会社が解散したときは、代表取締役(清算人ではない)は、遅滞なく株主に
解散した旨を通知しなければなりません。
2 債権者に対する債権申出の催告
清算会社は、解散後、遅滞なく、当該清算会社の債権者に対して、一定の期間
内(2か月以上であることを要します)にその債権を申し述べるべき旨、及び当該
債権者が当該期間内にその債権の申出をしないときは清算から除斥される旨を
官報に公告しなければなりません。(会社法499条)
3 知れたる債権者に対する催告
清算会社は、知れている債権者に対しては、格別に債権申出の催告をしなけれ
ばなりません。(会社法499条)ただし、知れている債権者については、その債権
者の申し出がなくても、清算から除斥することはできません(会社法503条)。
(1)会社が解散したときは、本店所在地で2週間以内に解
散と清算人就任の登記をしなければなりません。
(会社法926条・471条1号〜3号・928条)
解散の登記と清算人就任の登記は、同時に申請され
るのが通常です。
(2)登記申請人は、代表清算人を設置した場合には代表
清算人、設置していない場合は、清算人です。
残余財産の分配が終わり清算のためになすべき
事務が何もなくなったときに清算事務は終了します。
清算会社は、決算報告書を作成し、株主総会に提出してそ
の承認を求めなければなりません。
結了の登記
株主総会において清算結了の承認があったときはその承認
の翌日から起算して、2週間以内に
清算結了の登記を申請しなければなりません。
(会社法929条・932条)
書類の保存
清算人は、清算会社の帳簿並びにその事業及び清算に関
する重要な資料を、本店所在地における清算結了の日から
10年間保存しなくてはなりません。