■事務所ご案内
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株式会社が、その事業の全部を譲渡する等、株主に重大な影響を及ぼす行為をする場合、原則として株主総会の特別決議が必要です(会社法467条1項 309条2項11号)。
ただし、株主総会の決議を要しない場合があります(会社法468条)。
また、事業の全部譲渡に反対の株主は、自己の株式を株式会社に買い取るように請求することができます(会社法469条)。
(1) 株式会社は、会社法467条1項の各号に掲げる行為をする場合は、その効力発生日の前日までに、株主総会の特別決議によって、当該行為に係る契約の承認をうけなければなりません(会社法467条、309条2項11号)。
1 事業の全部の譲渡
2 事業の重要な一部の譲渡 (原則として総資産の額の5分の1以上)
3 他の会社(外国会社その他の法人を含む)の事業の全部の譲受け
4 事業の全部の賃貸、事業の全部の経営の委任、他人と事業上の損益の全部を共通にする契約その他これらに準ずる契約の締結、変更又は解約
5 当該株式会社(第二十五条第一項各号に掲げる方法により設立したものに限る。以下この号において同じ。)の成立後二年以内におけるその成立前から存在する財産であってその事業のために継続して使用するものの取得。ただし、イに掲げる額のロに掲げる額に対する割合が五分の一(これを下回る割合を当該株式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合を除く。
イ 当該財産の対価として交付する財産の帳簿価額の合計額
ロ 当該株式会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額
(2) (1)の3に掲げる行為をする場合において、当該行為をする株式会社が譲り受ける資産に当該株式会社の株式が含まれるときは、取締役は、その承認に係る株主総会において、当該株式に関する事項を説明しなければならない(会社法467条2項)。
(1) 次の場合には、株主総会の承認は不要である。
(ア) 上の(1)1から4までに掲げる行為(以下「事業譲渡等」という。)に係る契約の相手方が、当該事業譲渡等をする株式会社の特別支配会社※1である場合。
※1 原則としてある株式会社の総株主の議決権の90パーセント以上を保有する場合だけでなく、その会社の完全子会社等と併せて90パーセント以上を保有する場合も含む(会社法468条1項かっこ書)。
(イ) 他の会社の事業の全部を譲り受ける場合において、その対価として交付する財産の帳簿価額の合計額が、当該株式会社の純資産として法務省例で定める方法により算定される額の5分の1(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以下である場合(会社法468条2項)。
(2) 株主総会の決議を要しないで他の会社の事業の全部の譲り受けをする場合((1)(ア)の場合)において、法務省例で定める数の株式(その承認をする株主総会において議決権を行使することができるものに限る。)を有する株主が、当該株式会社による他の会社の事業の全部の譲り受けに係る通知又は公告の日から2週間以内に反対する旨を当該株式会社に対し通知したときは、当該株式会社は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、当該行為に係る契約の承認を受けなければならない(会社法468条3項)。
1 事業譲渡等をする場合には、反対株主は、事業譲渡等をする株式会社に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。
ただし、事業の全部を譲渡する場合において、その承認決議と同時に解散の決議がされたときは、この限りでない(会社法469条1項)。
2 事業譲渡等をしようとする株式会社は、効力発生日の20日前までに、その株主に対し、事業譲渡等をする旨を通知しなければならない(会社法469条3項)。
3 次に掲げる場合には、2の通知は、公告をもってこれに代えることができる(会社法469条1項)。
(ア) 事業譲渡等をする株式会社が公開会社である場合
(イ) 事業譲渡等をする株式会社が第467条第1項の株主総会の決議によって事業譲渡等に係る契約の承認を受けた場合
4 1の請求(以下「株式買取請求」という。)は、効力発生日の20日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない(会社法469条5項)。
5 株式買取請求をした株主は、事業譲渡等をする株式会社の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる(会社法469条7項)。
株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と事業譲渡等をする株式会社との間の協議によるか、株主または事業譲渡等をする株式会社の申立により裁判所が決定する(会社法470条)