[HeaderMatch]ドキュメントの構文と関連の構文について十分理解すれば、ご利用のサイトで多くの機能を実現できるようになります。[HeaderMatch]ドキュメントをカスタマイズしてインターネットサービスのWebモジュールの動作を設定する際は、ご自分のサイトのフォルダ内にある[サイトの基本設定]フォームを使用して、これまで行った変更をあらかじめ元に戻しておくことをお勧めします(オンラインヘルプのWebサイトの基本設定の変更についても参照してください)。
ここでは、[HeaderMatch]ドキュメントで実行できる内容をご説明いたします。
Mac OS Xでは、[HeaderMatch]ドキュメントに変更を加えたら、必ずインターネットサービスを再起動してください。Windowsでは、再起動する必要はありません。
ブラウザ振り分け機能で異なるテンプレートセットを適用させる方法
例えば、Internet Explorerのバージョン5〜7を利用しているユーザにはカスタマイズしたテンプレートを適用するとします。なお、カスタマイズしたテンプレートを作成する方法については、テンプレートの作成を参照してください。
これを行うために、[HeaderMatch]ドキュメントに以下のような行を追加することができます。
*: IF User-Agent == "MSIE [5-7]\..+Win" SET .templates = .customtemplates
このうち、
・*は、ご利用のWebサーバ上にあるすべてのWebサイトで設定を適用することを表します。
・User-Agentによってブラウザを特定します(この例では、Internet Explorerのバージョン5から7です)。
・\..+Winの円マーク(\)はプラス(+)に特別な意味を与えないようするエスケープ文字で、大括弧([ ])と0から9の数字を特殊文字に変換します。
・.temlates =には、ご利用のシステムでユーザに適用するデフォルトのテンプレートセットを指定します(この例では.customtemplates)。
Mac OS Xを利用するユーザに特定のテンプレートセットを適用したい場合は、このコードのWinをMacに代えてください。
ブラウザ振り分け機能で異なるウェブサイトに誘導する方法
[HeaderMatch]ドキュメントを設定して、[複数サイトと複数言語の設定]フォームで設定したサイトのエイリアス名に基づいて、ユーザを異なるWebサイトに(または異なるWebサイトの異なるテンプレートセットに)振り分けることができます。
例えば、Internet Explorerのバージョン5〜7を利用しているユーザを、[Spain]サイトのフォルダにあるスペイン語版のサイトに誘導するとします。
これを行うために、[HeaderMatch]ドキュメントに以下のような行を追加することができます。
コード行の先頭にアスタリスク(*)を挿入しないでください。挿入するとすべてのサイトに設定が適用されるようになります。
Spain: IF User-Agent=="MSIE [5-7]\..+Win" SET .templates= .spanishtemplates
このうち、
・Spainは、[複数サイトと複数言語の設定]フォームで設定した、このサイトのフォルダ名(エイリアス)です。
・User-Agentによってブラウザを特定します(この例では、Internet Explorerのバージョン5から7です)。
・\..+Winの円マーク(\)はプラス(+)に特別な意味を与えないようするエスケープ文字で、大括弧([ ])と0から9の数字を特殊文字に変換します。
・.temlates =には、ご利用のシステムでユーザに適用するデフォルトのテンプレートセットを指定します(この例では.spanishtemplates)。
[会議室]タブを[Simple]テンプレートに追加
サイトで[Simple]テンプレートを利用している場合、必要に応じて、[HeaderMatch]ドキュメントを使用してテンプレートをカスタマイズすることができます。
例えば、事前の設定が完了してから([Simple]テンプレートを参照)会議室をユーザが利用できるようにしたくなった場合は、ユーザのWebデスクトップに表示させたい会議室名を[HeaderMatch]ドキュメントに入力しなければなりません。会議室は1つではなく複数設定することも可能です(親会議室内に子会議室を作成できる権限が
必要です)。
以下の例では、Conferencesという名の会議室を作成して、すべてのユーザのデスクトップにすでに配置しているとします。ここでは、[HeaderMatch]ドキュメントの該当部分を設定します。
この構文を適用するには、関連する行の先頭にあるシャープ(#)を削除してください。
#[簡易(Webメール)]テンプレートの[会議室]タブで複数または単一の会議室を作成。[会議室]タブを表示させない場合は両方ともコメントアウト。
#*.VAR MULTICONF = <子会議室を持つ会議室名>
*. VAR SINGLECONF = 会議室
複数の会議室を作成したい場合は、[HeaderMatchドキュメント]を以下のように設定します。
#[簡易(Webメール)]テンプレートの[会議室]タブで複数または単一の会議室を作成。[会議室]タブを表示させない場合は両方ともコメントアウト。
*.VAR MULTICONF = All Conferences
#*. VAR SINGLECONF =<子会議室を持たない会議室名>
一度に表示できる[会議室]タブは1つだけです。例えば、以下のような構文を[HeaderMatch]ドキュメントに記述した場合、
*.VAR SINGLECONF = Engineering conferences
*.VAR SINGLECONF = Sales conferences
Sales conferencesという名のタブだけが表示され、Engineering conferencesという名のタブは表示されません。インターネットサービスは常に最後の行を使用します。この例では、前に何行記述されているかに関わらず、最終行の「*.VAR SINGLECONF = Sales conferences」が使用されます。
2つの行を以下のようにした場合、
*.VAR MULTICONF = <子会議室を持つ会議室名>
#*. VAR SINGLECONF =<子会議室を持たない会議室名>
この設定は機能しません。
Webメールインタフェースの利用に関する詳細は、Webmail Helpを参照してください。
独自作成フォームを[新規作成]ドロップダウンリストに表示
CUSTOMMESSAGES変数とCUSTOMFORMS変数を[HeaderMatch]ドキュメントで使用して、[Standard]テンプレートと[Livelink]テンプレートの[新規作成]ドロップダウンフィールドに表示される利用可能なフォームをカスタマイズできます。
この2つの変数に対応していないテンプレートセットもあります。
CUSTOMMESSAGES変数でメールフォームの設定を、CUSTOMFORMS変数でドキュメントフォームの設定を行います。メールフォームとドキュメントフォームの作成はあらかじめFirstClassデザイナーで行う必要があります。フォームを作成したら、以下の例のようにそのフォームIDを[HeaderMatch]ドキュメントに記述してください。
この構文を適用するには、関連する行の先頭にあるシャープ(#)を削除してください。
*: VAR CUSTOMMESSAGES = <ID番号1; ID番号2; ID番号3>
*: VAR CUSTOMFORMS = <ID番号1; ID番号2; ID番号3>
この2つのどちらかの変数を使用した設定は、(FCCCスイッチを使用して追加したフォームを含む)デフォルトのメッセージフォームまたはドキュメントフォームより優先して適用されます。
HTTPエラーメッセージの設定
サイトでユーザに表示されるエラーメッセージの追加とカスタマイズを行うことができます。例えば、ある種類のブラウザ(ここではBlazer)を利用するすべてのユーザに対して、204エラーメッセージの代わりに202エラーメッセージが表示されるようにするとします。
これを行うために、[HeaderMatch]ドキュメントに以下のような行を追加することができます。
*: IF User-Agent == "Blazer 1\\.0/*.+UPG1 UP/4\\.0" SET 204response = 202
このうち、
・*は、ご利用のWebサーバ上にあるすべてのWebサイトで設定を適用することを表します。
・User-Agentで、特定のブラウザを設定します(この例ではBlazerです)。
・204responseはエラーメッセージです。
・202は、204エラーメッセージの代わりに実際に表示させるエラーの番号です。
エラー202は、[.templates]フォルダ内に[error202]テンプレートとして保存されていますエラー204は「No content(コンテンツがない)」エラーであるため、[error204]テンプレートはありません。つまり、インターネットサービスは要求を承認してから、新しく表示するものがないことをブラウザに伝えます。ブラウザによっては、エラー204を正しく処理できない場合があり、その場合に、インターネットサービスはエラー202を代わりに送信します。
インターネットサービスのスクリプト変数の設定
携帯端末など容量に余裕がないプラットフォームではユーザに対して特定のインタフェースを適用したい場合には、インターネットサービスのスクリプト変数を設定すれば可能です。以下は、[HeaderMatch]ドキュメントにスクリプト変数を追加する例です。
*: IF User-Agent == "Windows CE" VAR ROWS = 10 AND COLS = 20 AND DEVICE = "Compaq Ipaq"
空白かタブを含む文字列は二重引用符("")で囲んでください。
このうち、
・*は、ご利用のWebサーバ上にあるすべてのWebサイトで設定を適用することを表します。
・IFは、条件が満たされた場合に動作を開始することを表すキーワードです。
・User-AgentでHTTPヘッダ名を指定します。
・==で、検索条件がHTTPヘッダに含まれているかどうかをチェックします。
・"Windows CE"は検索条件です。
・VAR ROWS = 10で、行番号を10に設定します。
SET変数を[HeaderMatch]ドキュメントに追加
User-Agent文字列をチェックする際は、検索しようとするブラウザやデバイスを識別できる最も短い文字列を対象にするのが最適です。例えば、携帯端末用ブラウザの大半は、User-Agent文字列の中に画面サイズの情報を含めて送信します。User-Agent文字列全体をチェックすることで、互換性のある複数の携帯端末が検索されないようにします。以下は、[HeaderMatch]ドキュメントにSET変数を追加する例です。
*: IF User-Agent == "AppleWebKit" SET calendarview = 158
このうち、
・*は、ご利用のWebサーバ上にあるすべてのWebサイトで設定を適用することを表します。
・IFは、条件が満たされた場合に動作を開始することを表すキーワードです。
・User-AgentでHTTPヘッダ名を指定します。
・==で、検索条件がHTTPヘッダに含まれているかどうかをチェックします。
・"AppleWebKit"は検索条件です。
・SETで、検索条件に一致する文字列がHTTPヘッダに含まれている場合に適用される1つあるいは複数の内部変数を設定します。
・calendarviewは内部変数で、インターネットサービスがカレンダーを表示するのに使用するフォームを指定します。
・=は代入演算子です。
・158はフォーム番号で、カレンダーを月表示形式で表示します。デフォルトの表示形式は週表示で、フォーム番号は159です。
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