FirstClassのご紹介
既存のFirstClassシステムの管理を新しく引き継いだ管理者の方向け
FirstClassとは
FirstClassは、優れた操作性を持つ、コミュニケーションと情報のためのツールで、電子メールや生産性アプリケーションを利用したり、グループで共同作業を行ったり、インターネットサービスやディレクトリサービスなどのサービスアプリケーションを利用したりすることができます。また、コミュニケーションツールや携帯端末向けサービスアプリケーションの利用、アプリケーショの開発、データベース向けの機能拡張を行うことも可能です。FirstClassはサーバベースのアーキテクチャを採用しています。そのため、FirstClassならではのセキュアな環境が作り出され、高い信頼性と非常に優れた拡張性を実現しています。お客様のシステムにおいてFirstClassの優れた機能をどこまで生かすかは、お客様の望まれるコミュニケーション環境しだいなのです。
このドキュメントでは、イントラネット環境でFirstClassサーバとFirstClassクライアントだけを利用するシンプルなFirstClassシステムの設定についてご説明いたします。このドキュメントの目的は、FirstClassだけで構築されたシステムの管理作業を引き継ぐことになった新しいFirstCla
ss管理者の方に、FirstClassの考え方とコンセプトを知っていただくことです。したがって、このドキュメントは既存のヘルプやマニュアルに取って代わるものでも、FirstClassの利用方法を新しい管理者の方に学んでいただこうとするものでもありません。その代わりに、システムの設定や日常的な管理作業を不安なく行っていただけるように、FirstClassサーバの管理にあたって重要な考え方と標準的な作業についてご紹介するものです。
FirstClassのアーキテクチャ
FirstClassは、以前からあるクライアント・サーバ型プラットフォームで構築されています。つまり、システムのあらゆるデータはFirstClassサーバに保存され、管理者を含むすべてのユーザはFirstClassクライアントを利用してサーバにアクセスします。クライアントソフトウェアは、サーバと「やり取り」を行うためのアクセス用インタフェースにすぎません。
このドキュメントでは、デスクトップクライアントについてのみご説明いたします。ただし、(インターネットサービスなど)Fサービスアプリケーションでシステムを拡張すると、Webクライアントやプラグイン型Webクライアント(Webブラウザでログイン)なども利用できるようになります。すべての情報がサーバに保存されているため、ユーザはクライアントの種類やマシンの設置場所に関わらず、サーバにログインしてあらゆる情報を利用すできます。これはデスクトップクライアントを利用する場合とほとんど遜色ありません。また、FirstClassはあらゆるモデムプロトコルやファイル転送プロトコルに自動で対応できるため、遠隔地からのリモートアクセスもネットワーク内からのアクセスと同じくらい簡単に実行できます。
FirstClassサーバのファイルとフォルダ
Windowsの場合
FirstClassサーバは、Windowsドライブのルートにインストールしなければなりません。その同じドライブのルートには、以下の2つの重要なフォルダが常に存在していなければなりません。
・FCServer
・FCNS
FCServerフォルダには、サーバの実行ファイル(fcs.exe)、サーバのログファイル(fcs.logとfcs.old)、その他あらゆる補助的なファイルやフォルダが格納されています。また、(ライセンス登録や診断に使用する)FirstClassツールズの実行ファイルも格納されています。FirstClassの各種サービスアプリケーションをインストールした場合は、そのサービスに必要なファイルやフォルダも格納されます。
FNCSフォルダは、このサーバのネットワークストアです。この中に、サーバデータのファイルやフォルダがすべて保存されます。このフォルダの整合性を保つことは、システムに問題が起こらないよう維持管理する上で最も重要です。したがって、このフォルダでファイルの削除、名前変更、再編集、追加などを行ってはいけません。また、他のいかなる方法でも、このフォルダの構造や中味には手を加えてはいけません。
Mac OS Xの場合
FirstClassサーバのインストールはFCadminという名のアカウントで行います。このユーザは、Mac OS Xのサーバマシンであらかじめ作っておかなければなりません。
FirstClassサーバをインストールした場所には、以下の2つの重要なフォルダが常に存在していなければなりません。
・FirstClass Server
・fcns
FirstClassサーバは、/Library/FirstClass Serverにインストールされます。FirstClass
Serverフォルダには、サーバの実行ファイル(fcsd)、サーバのログファイル(fcsd.logとfcsd.old)、その他あらゆる補助的なファイルやフォルダが格納されています。また、(ライセンス登録や診断に使用する)FirstClassツールズの実行ファイルも格納されています。FirstClassの各種サービスアプリケーションをインストールした場合は、そのサービスに必要なファイルやフォルダも格納されます。
fcnsフォルダは、このサーバのネットワークストアです。その場所は、/Library/FirstClass Server/Volumes/Master/fcnsです。この中に、サーバデータのファイルやフォルダがすべて保存されます。このフォルダの整合性を保つことは、システムに問題が起こらないよう維持管理する上で最も重要です。したがって、このフォルダでファイルの削除、名前変更、再編集、追加などを行ってはいけません。また、他のいかなる方法でも、このフォルダの構造や中味には手を加えてはいけません。
Linuxの場合
FirstClassサーバのインストールはFCadminという名のアカウントで行います。このユーザは、Linuxのサーバマシンであらかじめ作っておかなければなりません。
FirstClassサーバをインストールした場所には、以下の2つの重要なフォルダが常に存在していなければなりません。
・fcsd
・fcns
FirstClassサーバは、/opt/fcsdにインストールされます。FirstClass Serverフォルダには、サーバの実行ファイル(fcsd)、サーバのログファイル(fcsd.logとfcsd.old)、その他あらゆる補助的なファイルやフォルダが格納されています。また、(ライセンス登録や診断に使用する)FirstClassツールズの実行ファイルも格納されています。FirstClassの各種サービスアプリケーションをインストールした場合は、そのサービスに必要なファイルやフォルダも格納されます。
fcnsフォルダは、このサーバのネットワークストアです。その場所は、/var/opt/fcsd/volumes/master/fcnsです。この中に、サーバデータのファイルやフォルダがすべて保存されます。このフォルダの整合性を保つことは、システムに問題が起こらないよう維持管理する上で最も重要です。したがって、このフォルダでファイルの削除、名前変更、再編集、追加などを行ってはいけません。また、他のいかなる方法でも、
このフォルダの構造や中味には手を加えてはいけません。
FirstClassクライアントのファイルとフォルダ
Windowsの場合
FirstClassクライアントは、Windowsマシン上の3つの場所にファイルを保存して使用します。
FirstClassクライアントのアプリケーションは、WindowsドライブのProgram Files\FirstClassに保存されます。この中には、クライアントの実行ファイル(fcs32.exe)が格納されています。
共有ファイルは、Documents and Settings\All Users\Application Data\FirstClassに保存されます。この中には、コンピュータに登録されているすべてのユーザアカウントで共通に使用するファイルが格納されます。
ユーザの個人設定と個人用ファイルは、My Documents\FirstClassフォルダに保存されます。このフォルダとサブフォルダには、背景画像や個人設定ファイルなど、ユーザが独自に設定したファイルが保存されます。
これらのフォルダからファイルやフォルダを削除しないでください。削除するとシステムに問題が起こる可能性があります。
Mac OS Xの場合
FirstClassクライアントは、Mac OS Xマシン上の3つの場所にファイルを保存して使用します。
FirstClassクライアントのアプリケーションは、/Applicationsに保存されます。この中には、クライアントの実行ファイル(fcs32)が格納されています。
共有ファイルは、/Library/FirstClassに保存されます。この中には、コンピュータに登録されているすべてのユーザアカウントで共通に使用するファイルが格納されます。
ユーザの個人設定と個人用ファイルは、/Users/your user space/Library/FirstClassフォルダに保存されます。このフォルダとサブフォルダには、背景画像や個人設定ファイルなど、ユーザが独自に設定したファイルが保存されます。
これらのフォルダからファイルやフォルダを削除しないでください。削除するとシステムに問題が起こる可能性があります。
Linuxの場合
FirstClassクライアントは、Linuxマシン上の2つの場所にファイルを保存して使用します。
FirstClassクライアントのアプリケーションと共有ファイルは、/opt/firstclassに保存されます。この中には、クライアントの実行ファイル(fcc32)と、コンピュータに登録されているすべてのユーザアカウントで共通に使用する共有ファイルが格納されています。
ユーザの個人設定と個人用ファイルは、~/firstclassに保存されます。このフォルダとサブフォルダには、背景画像や個人設定ファイルなど、ユーザが独自に設定したファイルが保存されます。
これらのフォルダからファイルやフォルダを削除しないでください。削除するとシステムに問題が起こる可能性があります。
管理者アカウントへのログイン
設定ファイルについて
FirstClassは、サーバへ接続するのに必要な情報を設定ファイルに保存します。また、設定ファイルには、FirstClassで使用するフォーム、画像、サウンドなどのリソースも保存されます。Windowsの場合、設定ファイルの拡張子は常に「.fc」となります。
FirstClassは必ずhome.fcという名の設定ファイルを作成します。このファイルはサーバへの接続に使用されます。いつも決まったサーバに接続する場合は、一度接続すればそのサーバ名とIPアドレスはこの設定ファイルに保存されるため、これ以上設定を行う必要はありません。
管理者は、設定されている接続情報を見て、その内容をよく理解しておくことが必要です。home.fcファイルの接続情報を変更する方法や、他のサーバに接続する方法について知っておくようにしてください。
管理者または副管理者アカウントとしてのログイン
管理者アカウントのデフォルトのユーザIDは、「admin」です。ログインするにはパスワードも必要になりますが、管理者のパスワードは、絶対に設定ファイルに保存しないでください。お客様の多くは、日常的なシステム管理作業を行う際に、管理者アカウントでログインせず、複数の副管理者アカウントを利用しています。サーバにログインやシステムのメンテナンス、管理を行う前に、ご利用のシステムの運用方針を把握しておくようにしてください。なお、副管理者としてログインする場合も、決して自分の設定ファイルに副管理者のパ
スワードを保存しないでください。
管理者の作業
管理者デスクトップ上のアイコンから、ご利用のFirstClassシステムで実行する作業のほとんどを開始できます。ただし、デスクトップ上にアイコンがない機能もありますのでご注意ください。FirstClassの管理者として行うべき作業は、以下の4つに分類されます。
・FirstClassサーバ、およびサーバに必要なコンポーネントやモジュールのインストールと設定
・FirstClassを利用したシステム環境の計画
・FirstClassを利用したシステム環境の構築
・FirstClassを利用したシステム環境のメンテナンス
すでにFirstClassサーバの管理作業を行ったことがあれば、インストール、設定、計画、構築などの作業はおそらく何度も経験されていることでしょう。しかし、経験のない管理者の方は、サーバをメンテナンスしたり、ユーザからの質問、クレーム、ニーズに対応したりするために、管理作業の根底にある考え方について理解しておく必要があります。
インストールと設定
FirstClassのソフトウェアはすべて、FirstClassオンライン(FCOL)からダウンロードしてインストールします。FCOLは、FirstClassを制作しているOpen
Text社のFirstClass部門が運営するサーバの名前です。ライセンスをご購入いただいたお客様には必ずFCOLのアカウントをご提供します。FCOLにアクセスすれば、新しいバージョンのソフトウェアやリソースをダウンロードしたり、他のFirstClass管理者とFirstClassに関する情報交換を行ったりすることができます。FCOLは、経験豊富な他の管理者から最適な運営方法などについて質問できるため、新しい管理者の方にとって絶好の情報源と言えます。
※このヘルプは英語版ヘルプを翻訳したものです。日本でご利用のお客様は、株式会社エフシーマネジメントまでお問い合わせください。
システム設定の第一歩は、システム全体のデフォルト設定を決めて適用することです。この作業は[システムプロファイル]フォームで行います。このフォームは、管理者または副管理者のデスクトップのメニューバーから[管理]>[システムプロファイル]を選択すると表示されます。フォームがアクティブになっている状態でF1キーを押すと、そのフォームのヘルプが表示され、フォーム上の各フィールドに関する説明を見ることができます。
システムの計画と構築のコンセプト
グループ
FirstClassで構築するシステムの整合性とセキュリティを保つために最も重要な点は、ユーザをどのようにグループに分けて登録するかということです。
管理者(または副管理者)のデスクトップから、[Groups]フォルダを開いてください。
このフォルダは、以下の3種類のグループ群から構成されています。
・標準グループ群(Standard Groups)
・設定グループ群(Configuration Groups)
・部課グループ群(Department Groups)
標準グループ群は、ご利用のサーバを正常に機能させるために不可欠なものです。したがって、このグループ群に属するグループは絶対に削除も名前の変更もしないでください。このグループ群の各グループに関する詳細は、オンラインヘルプを参照してください。
設定グループ群は、標準グループ群ほどの重要性はありません。設定グループ群のグループは、サーバをインストール(またはアップグレード)した時にあらかじめ作成されます。これらのグループは、サーバの正常な動作に不可欠なものではありませんが、システムの管理作業に役立つことがあります。管理者にありがちな問題への対処やよくある設定作業を支援するために、これらのグループは作成されています。例えば
、お客様の多くが副管理者を置いていますが、あるユーザを[Subadmin Users]グループに所属させれば、副管理者の作業に必要なツールと権限を一括でそのユーザにすばやく簡単に与えることができます。あらかじめ作られている設定グループ群のグループの大半は、そのグループ名から利用方法が判断できます。しかし、独自の方法でそのグループを利用したり、新しいグループを作成してシステム管理を行いやすくしたりすることもできます。設定グループ群のグループを確認し、ご自分のシステムで利用方法をよく理解しておいてください。このグループ群にグループを追加、削除しても問題ありませんが、デフォルトで用意されているグループは、長い間お客様からいただいたご要望をもとに、最も必要性が高いと思われるものを厳選して作成しています。したがって、これらのグループを利用することもご検討ください。
部課グループ群には、よくある組織単位ごとのグループが作成されており、お客様のシステムでご利用いただけます。各グループの名前を見れば、どのようなユーザが所属させるグループなのかおわかりいただけることでしょう。優れたFirstClassシステムを構築するには、お客様の企業や学校の組織構成に似たグループ構成にすることが重要です。例として、お客様の組織でよくあると思われるグループを以下に挙げておきます。
ご利用にシステムで作られている部課グループ群のグループとその名前は、以前または現在の管理者が作成、設定したものです。どのようなグループがあるかを確認し、ご利用の組織でのグループ構成をよく理解するようにしてください。これらのグループに設定された機能や権限を見れば、ご利用のシステムがどのように運営されているのかよくおわかりになると思われます。
また、共有会議室および共有カレンダーにデフォルトの権限設定を行うための特別なグループもあります。このグループは、それぞれコンテナ用テンプレート(従来の会議室グループ)およびカレンダーグループと呼ばれています。
[Groups]フォルダに内にはサブフォルダを作成しないでください。サブフォルダ内にグループを作っても機能しません。
機能、ディレクトリ閲覧制限、権限の設定によるセキュリティの確保
機能、権限、およびディレクトリの閲覧制限の設定によって、ご利用のシステム上でユーザが見ることのできる内容と利用できる機能が決まります。これらの設定は、システムのセキュリティを保つ上で最も重要です。機能や権限はユーザことではなくグループことに設定する方が、アップデートやメンテナンスに必要な手間と時間が削減されるため、システムにとって有効です。グループに設定した機能と権限は、[システムプロファイル]フォームで設定したシステムの基本設定より優先して適用されます。
機能は、ユーザがFirstClassを使って実行できること、つまり、ユーザが利用できる機能です。
ディレクトリの閲覧制限は、FirstClassのディレクトリを開いた時にユーザが見ることのできる内容を決めるものです。ディレクトリにはご利用のシステム上のオブジェクトとユーザがすべて登録されています。
権限は、機能と似ていますが、コンテナのグループや各コンテナで設定するものです。
機能
[Groups]フォルダの部課グループ群にあるグループの1つをダブルクリックして、[グループ権限]フォームを開いてください。このフォームがアクティ
ブな状態でF1キーを押すと、このフォームで設定できる機能と各機能の関連性について説明するヘルプドキュメントが表示されます。[機能]タブ上にある3段階表示のチェックボックスは、各機能が利用できる状態であるかどうかを表しており、クリックしてこのグループでその機能を有効または無効に切り替えることができます。通常は、まず(標準グループ群のグループの1つである)[All Users]グループの[グループ権限]フォームでシステム全体に適用する機能を設定してから、部課グループ群のレベルでグループ固有の機能を設定します。
ディレクトリの閲覧制限
[グループ権限]フォームの[ディレクトリ]タブは、ユーザがディレクトリで閲覧できる内容を管理者が設定する画面です。ディレクトリで閲覧できないユーザやコンテナを設定すると、ユーザはそのユーザやコンテンツをメールの宛先に指定するのが大変難しくなります。ただし、管理者
はディレクトリですべてのオブジェクトとユーザを見ることができます。また、管理者は特別な表示方法でディレクトリを見ることができます。その画面を少し確認してみましょう。
管理者または副管理者のデスクトップで、メニューバーから[管理]>[ディレクトリの一覧]を選んでください(あるいは、ツールバーの[ディレクトリの一覧]アイコンをクリックして表示させることもできます)。[ディレクトリの一覧]を選ぶと、ご利用のFirstClassシステムの全ユーザと全オブジェクトが一覧で表示されます。左側の列にあるアイコンは、オブジェクトの種類を表します。表示されているユーザやオブジェクトの詳細情報を見るには、そのユーザやオブジェクトのエントリをダブルクリックしてください。
権限
権限は、コンテナ用テンプレート(従来の会議室グループ)、カレンダーグループ、および各会議室やカレンダーで設定します。
[会議室の権限]フォームと[コンテナ用テンプレートの権限]フォームはほとんど同じです。
標準グループ群の[All Conferences]コンテナ用テンプレートをダブルクリックして[グループの権限]ボタンをクリックすると、[All
Conferences]コンテナの[コンテナ用テンプレートの権限]フォームが開かれます。現在アクティブになっている権限フォームでF1キーを押すと、そのフォームのヘルプが表示されます。
[会議室の権限]フォームを開くには、管理者または副管理者のデスクトップにある[General Conferences]フォルダを開いてください。フォームを開く会議室を右クリックして、[権限]を選択してください。
[対象]欄は、その会議室でユーザまたはグループが実行できる内容を設定するために使用します。例えば、会議室にメールを送信できるようにするか、会議室を閲覧できるようにするか、他のユーザからの投稿を削除できるようにするか、予定への参加を他のユーザに依頼できるようにするか、あるいはスケジュール設定した会議場所を変更できるようにするか、などです。
[参加者一覧]は、ユーザまたはユーザグループのユーザのデスクトップにこの会議室のエイリアスを表示させるために使用します。
機能、ディレクトリ閲覧制限、権限の組み合わせによるセキュリティの確保
ユーザのBさんは、[営業部]ユーザグループに所属しているとします。Bさんが利用できる機能は、他のユーザへのメール送信、会議室の共有、それにカレンダーの共有です。Bさんは、ディレクトリですべての従業員を閲覧できます。したがって、どの従業員をメールの宛先に指定すること
も可能です。また、[営業部]コンテナ用テンプレートに所属するすべての会議室とカレンダーもディレクトリで確認できます。しかし、Bさんが[開発部]会議室をメールの宛先に指定しようとしてもできません。ディレクトリで表示される名前どおりに宛先欄に入力しても同様です。
[販売予測]会議室([営業部]コンテナ用テンプレートに所属する会議室の1つ)では、権限設定によって、[営業部]グループに所属するすべてのユーザがメッセージを閲覧できますが、[営業部長]グループのユーザしかメッセージを投稿できません。Bさんは、この会議室に投稿されたメッセージに返信をしたいと考え、返信メッセージを作成しましたが、そのメッセージの宛先には元の差出人(営業部長)しか入力されていません。Bさんはあらゆる手段を試みてその会議室に自分のメッセージを投稿しようとしま
すが、決して許可されません。Bさんがこの会議室にメッセージを投稿する唯一の手段は、Bさんの上司のユーザIDとパスワードを入手して、その上司としてログインすることです(もちろん、そんなことをすればBさんは仕事を失うことになるでしょう)。
このように、グループを利用して、会議室の権限、ディレクトリの閲覧制限、それに利用できる機能を設定することは、ユーザのログインにセキュアなプロトコルを使用してパスワードを暗号化すること以上にシステムのセキュリティを保つ有効な手段なのです。
モデルデスクトップ
モデルデスクトップとデスクトップ用テンプレートは、ユーザのデスクトップのレイアウトを決めるテンプレートです。これらのテンプレートは、ユーザのデスクトップの背景画像、大きさ、アイコンのレイアウトを設定するために使用します。テンプレートを使用するのは、たいていシステムの初期設定を行う段階です。したがって、ここでは詳細な説明はいたしません。ユーザのデスクトップレイアウトのデフォルト設定に関する詳細は、該当するオンラインヘルプを参照してください。
会議室とカレンダーの作成
すでにご説明したように、会議室はグループで共同作業を行う場所で、あるトピックに対してメッセージを投稿したり、ファイルをアップロードしたり、情報を保存したりできる共有フォルダのような機能を持っています。お客様によっては、ユーザに対して会議室を作成して共有する権限を与えていることもありますが、たいていのお客様はこの権限を管理者または副管理者に制限しています。管理者または副管理者のデスクトップにある[General Conferences]フォルダは、管理者または副管理者が作成した会議室を保存する場所です。会議室で権限、参加者一覧、それにモデルデスクトップをユーザグループに対して設定すると、ユーザに会議室のエイリアスが表示されるようになります。[General
Conferences]フォルダ内の会議室は、[Groups]フォルダの部課グループ群のグループ構成におおむね一致するものです。その理由は、共同作業ができる会議室は部課グループ群のグループごとに作成するのが普通だからです。
各会議室には共有カレンダー、備品カレンダー、場所カレンダーを設置し、その会議室で共同作業できる権限を与えられたユーザグループのユーザが利用できるようにするのが一般的です。[General Conferences]フォルダ内の各会議室を調べて、カレンダーが設定されている会議室と、そのカレンダーの利用方法をご確認ください。
ユーザ管理
これまでセキュリティおよびグループの管理についてご説明しましたが、ユーザを登録しなければ何の意味もありません。ユーザアカウントの作成、編集、削除は、管理者または副管理者のデスクトップから行います。
([管理]>[ディレクトリの一覧]を選択して)管理者用ディレクトリを開いてください。[検索]フィールドに自分の名前を入力して、[検索]ボタンをクリックしてください。検索結果の一覧から自分の名前を選択してください。
ここでは以下の操作を行うことができます。
自分のデスクトップを表示するには、[デスクトップ]ボタンをクリックしてください(ほとんどのお客様は企業のプライバシーポリシーで管理者と副管理者が他のユーザのデスクトップを見ることができるかどうか定めており、禁止しているのが一般的です)。
[編集]ボタンをクリックして、自分の[ユーザ情報]フォームを開いてください。
[ユーザ情報]フォームで設定した内容は、そのユーザに対して適用されている他のあらゆる設定よりも優先して適用されます。
最初のタブ([ユーザ情報]タブ)には、自分の個人的な情報がすべて登録されています。ただし、パスワードは「********」と表示され、実際のパスワードは表示されていないことにご注意ください。これはセキュリティ上の理由からです。管理者であっても他のユーザのパスワードを知ることはできません。また、自分が最後にログインした日時と長さを確認することもできます。
[ユーザグループ/ディレクトリ]タブには、自分の所属するグループの一覧が表示されています。また、自分のディレクトリで閲覧できる内容が(自分の所属するグループレベルではなく)ユーザレベルでどのように制限されているのかが表示されています。
[機能]タブは、[グループ権限]フォームの[機能]タブと同じです。通常のグループ権限設定とは異なる権限をユーザに与える場合にだけ、ここで設定を行ってください。
[基本設定/アクセス/制限]タブで設定した内容も、[グループ権限]フォームの設定より優先して適用されます。
すべてのフォームと同じように、このフォームがアクティブになっている状態でF1キーを押すと、そのフォームのヘルプが表示されます。
FirstClassスクリプトによる大規模なシステム変更の一括処理
FirstClassスクリプトは、FirstClass独自のシンプルなスクリプト言語です。ご利用のシステムで大規模な変更を短時間で処理したい場合は、FirstClassスクリプトを使用してください。学校用のシステムでは、新学期前に膨大な数のユーザを新しく登録して、次年度に備えることが必要になることがよくあります。このような時にFirstClassスクリプトを使用すれば、外部ファイルからユーザ名をインポートしてご利用のシステムに登録し、適切なグループに所属させたり、権限を与えたり、デスクトップを設定したりする処理を一括で行うことができます。習得に多少の時間がかかりますが、少し時間をかけてスクリプトの使い方を習得すれば、システム管理に必要となる時間を大幅に節約できます。FirstClassスクリプトに関する説明は、管理者または副管理者のデスクトップにある[Admin Help]フォルダの[Administration]フォルダにある[FirstClass Scripting]フォルダをご覧ください。
その他のコンセプト
複数ボリュームの使用
お客様によっては、特に大規模なシステムを構築している場合、ネットワークストアを複数のボリュームに分散して保存していることがあります。管理者または副管理者のデスクトップにある[Volumes]フォルダを開くと、設定したボリュームの一覧を見ることができます。[primary(プライマリ)]ボリュームに加えて、[secondary(セカンダリ)]ボリュームと[mirror(ミラー)]ボリュームが表示されている場合があります。ミラーボリュームについては次項で説明いたします。ネットワークストアが複数のボリュームに分散されている場合は、管理者ヘルプの「マルチボリュームと外部フォルダの設定」をお読みください。
ミラーリング
ミラーリングが有効になっているシステムの場合、ご利用のサーバ上で変更のあったすべての内容が、ただちに他のボリュームやディスクにミラーリングされます。しかし、アクティブ状態のネットワークストアのバックアップを取ることはできませんし、バックアップのために毎日サーバをシャットダウンするのは現実的ではありません。そこで、ミラーリングを一時停止して、ミラーリング先のネットワークストアのバックアップを代わりに取ることができます。ミラーリングを停止している間にサーバ上で変更された内容は、すべてメモリに保存されます。バックアップを完了してミラーリングを再開すると、ミラーリング先のネットワークストアが元のネットワークストア(FCNS)に再同期されます。ミラーフォルダの名前は、「FCNS8001」です。ミラーリングの詳細は、[Admin Help]フォルダの[サーバの管理]フォルダにある[トラブルシューティング]フォルダの該当部分を参照してください。
ゲートウェイ
ゲートウェイとは、ご自分のサーバを他のサーバと接続する橋渡しをするものです。複数の場所に組織が分かれていて、FirstClassによって相互に接続されている場合は、ゲートウェイを使用することになります。既存のゲートウェイは、管理者または副管理者のデスクトップにある[Gateways & Services]フォルダで確認できます。ゲートウェイの設定とメンテナンスに関する詳細は、[Admin Help]フォルダの[サーバの管理]フォルダにある[カスタマイズCustomizing FirstClass]フォルダの「ゲートウェイとルートについて」を参照してください。
FirstClassのサービスアプリケーション
FirstClassの各サービスアプリケーションは、ゲートウェイを介してサーバに接続します。インターネットサービスやアプリケーションサービスを利用している場合、管理者のデスクトップにある[Gateways & Services]フォルダ内に各サービスのゲートウェイがあります。FirstClassのサービスアプリケーションに関する詳細は、[Admin Help]フォルダ内で各サービス名のフォルダを参照してください。
日常的なサーバメンテナンス作業
監査
システムの監査は、毎晩(通常は午前3時ですが[システムプロファイル]でご確認ください)自動的にご利用のサーバに対して実行されます。監査では、ネットワークストアの修復、有効期限切れアイテムの削除、および自動更新が行われます。監査が完了すると、監査の概要が管理者のメールボックスにある[Audit - No Problems]フォルダ、または[Audit - Problems Fixed]フォルダに送信されます。この概要には、発見されたエラーや修復内容の詳細が記載されています。この概要にいつも同じエラーが記録されている場合は、ネットワークストアの整合性に問題があることを示しています。このような現象が起こったら、カスタマーサポートまでお問い合わせください。
ユーザまたは会議室単位で監査を実行して、診断とエラーの修復を行うことが可能です。この監査では、削除済みアイテムや有効期限切れアイテムの消去はされません。ユーザアカウントのエラーを診断、修復するための応急措置を行うだけです。もしシステムに何か問題と疑われる点がありましたら、カスタマーサポートまでお問い合わせいただき、ネットワークストアにエラーがあるかどうか確認されることをお勧めします。
ログ取得と統計値
サーバ、ディスク使用量、ユーザに関する統計値、および日別のログファイルがサ―バによって記録されており、管理者はシステムのパフォーマンスやユーザのシステム利用状況を確認することができます。ご利用のシステムでFirstClassログアナライザを実行している場合は、取得したログファイルを分析できるほか、複数のファイルを比較して監視することも可能です。
ネットワークストアのバックアップと復元
システム障害が起こる心配がないならそれに越したことはありませんが、絶対に問題が起こらないわけではないのが現実です。したがって、できれば正しくバックアップを取り、復元作業の準備を整えておけば、システム障害が起きてもうまく対処できます。ご利用のシステムでは、おそらくその準備を整えているものと思いますが、どのような準備がしてあり、どのように対処すればいいのかご確認ください。<
まとめ
ここまでお読みいただければ、もうFirstClassのさまざまな機能を不安なくご利用いただけるはずです。また、FirstClassの設定や運用の方法に関する知識も深まったことでしょう。しかし、何かお困りのことがありましたら、以下のようなサービスや資料もぜひご活用ください。
・FCOLでは、他のシステム管理者とさまざまな問題について意見交換できる会議室を設けております。※
・FirstClassトレーニングサービスでは、管理者向けのトレーニングと、各サービスアプリケーションのトレーニングのためのプログラムを提供しています。詳細は、http://www.firstclass.com/support/training/(英語)をご覧ください。※
・FirstClassのオンラインヘルプには、FirstClassの各ソフトウェアに関する詳細なヘルプが掲載されています。
・FirstClassのカスタマーサポートでは、ライセンスをご購入いただいたお客様に対して電話やWebサイトによるサポートを行っております。詳細は、http://www.fcm.co.jp/firstclass/support/index.htmlをご覧ください。
※このヘルプは英語版ヘルプを翻訳したものです。日本でご利用のお客様は、株式会社エフシーマネジメントまでお問い合わせください。
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